ジュエリーメイキング/ Jewelry Making Style

スタンプワーク、オーバーレイ、

インレイ、トゥーファキャスティング、4つの技法の説明です。

 

その他の製作工程はブログで紹介しています。

         製作工程  ←こちらをクリック!

 


スタンプワーク/Stamp Work

スタンプワーク
スタンプワーク


           

 

 

1ーダシタガネという焼き入れ前の鉄の棒を用意します。

           

           


 

 

2ーデザインを決め、おおよその型までグラインダーで

  削ります。

 


 

3ー糸鋸,金やすり、ダイヤモンドやすりで彫刻して

  ゆきます。


スタンプワーク
スタンプワーク

 

 

 

4ー円形に抜く部分はルーター先端工具のダイヤモンド

  ビットを使います。


 


 

5ーバーナーで焼き入れします。やや赤くなるまで焼き

  急冷します。


 


スタンプワーク
スタンプワーク

6ー焼き入することで鉄が固くなります。

 そのまま30分程度放置します。

 


スタンプワーク
スタンプワーク

7ーシルバーに試し打ちをします。修正箇所は再び、

  ヤスリで調整してゆきます。

 

 


8−完成です。

 


ターコイズリング
ターコイズリング

 

考察: スタンプワークは一見簡単につくっているように

    見えてしまいます。

    実際は道具から手作りで行います、スタンプの

    造形や打ち方により作家の技量がでてしまう

    奥の深い技法であるといえます。

    ちょっとした形状の違いとスタンプの組み合わせ

    で無数の表現が可能です。

             スタンプワークで製作する作家は多くいます。

    Mckee Platero、Perry Shorty、Ron Bedonie

    などの作家は最高の技術を持って製作しています


 


作例:バングル



オーバーレイ/Overlay

ターコイズブレスレット
ターコイズブレスレット

 

 

1. デザインをし、イラストレーターで作画します。

 


ターコイズブレスレット
ターコイズブレスレット

 

 

2.銀板にスプレーのりで貼付け、糸鋸6〜8番の極細刃でカットします。


ターコイズブレスレット
ターコイズブレスレット

 

 

3.カット後、下地の銀板にロウつけします。


ターコイズブレスレット
ターコイズブレスレット

 

 

4,カットし、Rに曲げ加工します。


ターコイズブレスレット
ターコイズブレスレット

 

 

5.他のパーツと組合わせ、汚れを落とすため酸洗いします。


ターコイズブレスレット
ターコイズブレスレット

6.いぶし液で黒くします。

 


 

 

 

7.やすり、ルーターで研磨し最後にターコイズを

  石留めし完成です。


ターコイズブレスレット
ターコイズブレスレット

 

 

考察:仕上がりは下地の凹み面がいぶして黒くなりシルバー

   とのツートーンの表現になります。

   細かなパーツをカットすることで繊細な造形

   にもなり、インレイなど他の技法と組み合わせる

   ことで立体的な表現も可能です。

   オーバーレイはHopiの作家が得意とする技術です、

   NavajoではLee Yazzieを頂点にMarco Begaye

   ,Howard Nelsonなどの現代作家がいます。 


作例:オーバーレイペンダント




インレイ/Inlay

インレイー ターコイズだけでなく、他の石や珊瑚などの貝類と組み合わせて

      造形するのが一般的な方法です。


1ー極細のカットマシンを使い、原石(ルース)を薄く、

  カットします。


ターコイズネックレス
ターコイズネックレス

2−ドップ棒に瞬間接着剤で石を固定し、フラットタイプの

  研磨機でだいだいの型に研磨してゆきます。


ターコイズネックレス
ターコイズネックレス

3ーはめては削り、削ってははめてを繰り返し、シルバーの枠に

  綺麗に収まるようにします。


ターコイズネックレス
ターコイズネックレス

4ー微調整は棒から石をはずし、指先でつまみ、

  ダイヤモンドやすりで調整します。


ターコイズネックレス
ターコイズネックレス

5−小さなパーツになると幅1ミリとかなり繊細な

  作業になります。


ターコイズネックレス
ターコイズネックレス

6−綺麗に収まったら8000番まで磨き上げ、2液性の

  樹脂で固定し組あげ完成となります。

 

 

考察/ズニの得意とする技法です。ハイアートと融合し、

   今も絶大な影響力のあるCharles Lolomaは別格

   として、現代作家ではDonDewa,

    Raymond C. Yazzieなどの作家がいます。

   

 

 

 

 

インレイの製作工程




トゥファーキャスト/Tufa Casting

トゥファーキャスティング
トゥファーキャスティング

トゥファーは火山灰でできた石です。

今回はそれによくにた仕上がりになる耐熱ブロックでの作例です。

 

 

 

 

1−下絵をカーボン紙を使い石に転写します。


トゥファーキャスティング
トゥファーキャスティング

 

 

 

 

2−彫刻刀とヤスリで削ってゆきます。


トゥファーキャスティング
トゥファーキャスティング

 

 

 

3−造形の基準は三角形の頂点になるセンターラインです。


トゥファーキャスティング
トゥファーキャスティング

 

 

 

4−メルディングポットでシルバーを970度で溶解します。


トゥファーキャスティング
トゥファーキャスティング

 

 

5−2枚あわせたTufaにすばやく流し込みます。


トゥファーキャスティング
トゥファーキャスティング

 

6−通常は放射状に空気溝をつけますが今回は凹み面を

  つけて流し込みました。


トゥファーキャスティング
トゥファーキャスティング

 

7−不要な部分をカットします。Tufaの素地を生かす

  所はそのままで磨きあげの箇所はヤスリで研磨

  してゆきます。

 


トゥファーキャスティング
トゥファーキャスティング

考察:鋳造の名称は”重力鋳造”といい、もっとも古い

   方法です。

   普通の彫刻とは逆のマイナスの彫刻で鋳造後の

   立体造形を想像しながら彫ってゆくという特徴

   があります。

   現代作家では、Tufaをキャンバスのように

   あつかい造形するDarryl Begayや、精密な彫刻で

   オールドからコンテンポラリーまで製作する

   Aaron Andersonなどがいます。

 

 

作例:Tufa Cast コンテンポラリースタイルバングル